教育・研究

職員一人一人の成長を支えるために、教育・研修に力を入れます。


研修の取り組み

1、未経験者にも丁寧に同行訪問を行うことで不安をなくします。
2、継続した研修により、スキルアップをはかります。
3、卓越した専門性を持つ先生に教えていただきます。



学ぶことを支えます

1、各種資格の取得を推奨します。
2、認定看護師の取得を応援します。
3、訪問看護師研修への参加を推進します。
4、大学・大学院への進学を応援します。

研究計画

背景

日本訪問看護進行財団の調査によれば、現在訪問看護ステーションは平成18年4月で全国で5,700事業所があるが、厚生労働省による介護サービス施設・事業所調査によれば、平成12年10月から、平成17年10月の増化率は12.2%に過ぎない。
介護保険施行当初目標としていた8000事業所にはまだ遠い状況にある。その原因としては、競合サービスの伸びや施設の増加が考えられるが、訪問看護ステーションの管理者(看護師)が「経営」というものを教育されることなく、その職に就き、訪問看護業務以外にも経験したことのない多くの管理業務と競争市場で生き残るためのマネジメントスキルを持たないために、売上げを伸ばせないことや看護師確保の困難、さらには燃え尽きて辞めていくことによる経営の不安定が考えられる。実際に訪問看護ステーションの管理者の在職年数は平均3~5年と短い。
そのような状況からか、看護師自ら起業し開設しているステーションは全国訪問看護事業協会の名簿から推測してもわずか3.1%であり、開設に躊躇する状況があると考えられる。
私は平成8年より訪問看護ステーションの管理者の職を務めてきた。
その後、ヘルパーステーション、居宅介護支援事業所、福祉用具貸与事業所を起ちあげた。
このように多角化を進める中で、私自身の中で常に訪問看護ステーションの経営とはどうあるべきかを模索してきた。その結果、管理者が自分たちの目指す看護を守るために、ビジョンと戦略とを関連させて積極的に組織の現状や将来のあるべき姿までを含めた経営指標を持ち、さらに戦略的経営のツールとして統合的な手法を持つことが重要であると考えた。


目的

本研究の目的は自律し安定した訪問看護ステーション経営を支援するために、訪問看護ステーション版バランスト・スコアカードを作成することである。
また、その有効性の検証をも意図している。 ここ数年、企業で注目されているバランスト・スコアカードを導入することにより、「成長と学習」「内部プロセスの視点」「顧客の視点」「財務の視点」の4つの視点から、多面的に訪問看護ステーションの経営業績を捉えるとともに、管理者は4つ視点のバランスをとることで、適切な経営マネジメントができると考えている。
特に財務の視点に限らない非財務的なデータを評価することが、バランスト・スコアカードは専門職の労働集約型事業である訪問看護ステーションの経営には有用である。
さらに、ビジョンに向かって戦略を可視化することで職員一人ひとりが目標に向かって実践し、業績指標によりその評価を確認できることで、生き生きとやりがいを持って質の高い看護ができると考える。


計画

1.標準的訪問看護ステーションのBSCを作成する。(H19年8~10月)
共同研究者によりSWOT分析、クロス分析による戦略の策定、戦略マップの作成、スコアカードの作成をおこなう。
2.協力ステーションの選定(H19年8~10月)
財務的な部分の提示も含めて協力してくれるステーションを20ヶ所選定する。
3.アンケート調査と聞き取りを実施(H19年11月~H20年3月)
標準BSCの戦略マップを提示し、4つの視点因果関係の有無を
4.アンケート調査と聞き取りの集計と分析(H20年4~6月)


期待される成果

1.訪問看護ステーション経営における、「成長と学習」「内部プロセス」「顧客の視点」「財務の視点」の4つの因果連鎖を導き出すことができる。
つまり、短期的に売上を伸ばすことに惑わされず、中期的なビジョンをみすえて、成長と学習の視点に対する取り組みの根拠を持って行うことができる。
2.管理者が経営判断をするときに、業績評価指標を用いることで的確な判断ができる。
また、管理者の経営判断の根拠を母体法人や職員に示すことができる。 3.管理者が燃え尽きることなく、その職を継続することができ、訪問看護ステーションの安定した経営につながる。
4.BSCはコミュニケーションツールとしても有効であり、圧倒的に女性の職場である訪問看護ステーションでのコミュニケーションを活発にする。
5.目標を可視化することで職員のモチベーションが向上し、日々の看護サービスの向上に役立つ。
6.戦略を可視化することで、日々の業務に流されることなく、中期的視点を見据えて進むべき方向を確認することができるとともに、行った結果をモニタリングすることができる。


波及効果

経営的にも安定し、質の高い看護を提供できる訪問看護ステーションが増えることにより、在宅療養支援診療所との連携が進み、在宅との連携と協働がすすむ。
そのことは、最後まで住み慣れた家で暮らしたいと願う人を支え、在宅での看取りを安心して選択することができる。